本との出会い
いつもの中古本屋巡りをしていた所、このような作品を見つけた。
「楽園のつくりかた」・・・変なタイトルだったし宗教の本かなと思考を巡らせた。
本は背表紙に説明がくっついているのでその説明文を読んだ。
エリート中学生の優は、突如ド田舎の学校に転校することになった。一杯勉強して、東大に入り、有名企業に就職する、という将来プランがぐちゃぐちゃだ。しかも同級生はたったの3人。
1.バカ丸出しのサル男
2.いつもマスクの根暗女
3.アイドル並みの美少女(?)
嗚呼、ここは地獄か、楽園か?これぞ直球ど真ん中青春小説!今もっとも注目を集める作家の代表作、待望の文庫化!!!
皆さんはこの文を見てどう思っただろうか?僕は面白そうだなと思った。
見ようと決めた理由は2つあって、一つ目は「東大に入って、有名企業に就職する」といった文だ。
これは中学生という年頃の少年をよく表している。小学生のようなプロ野球選手やサッカー選手じゃなくて有名企業就職という現実的な目標。
実は有名企業に就職するのも現実的でないのに、それを考えない所が中学生ってとこを上手く表現している。
この中学生の心情を的確に表現しているのが読もうと思った一つ目の理由だ。
もうひとつは他の登場人物の紹介の仕方だ。
クラスメイトを紹介しているのだが、クラスメイトの特徴がなんだか皆濃くて面白そうだと思った。
この2つの理由で購入を決めました。
この本を読む前の僕は「ああーのんびり田舎ライフでも見て楽しむか」なんて思ってた。
しかし、この本を読むとどんどんと引き込まれていくのだ。
徐々に引き込まれる世界観
最初は田舎の生活を送る様子が描かれている。主人公が田舎の事に対して愚痴を言うのは面白い。
そして中学生という精神が未熟な様子をよく表現しているのだ。
なんて薄っぺらい事しか当ブログでは語れない。
なぜならこの小説、滅茶苦茶プロットが考えられていて、登場人物が生きた人間より生きているような作品で、伏線が大量にあるからだ。
ジャンルとしては青春小説。対象年齢は中学生、高校生みたいだが、大人が読んでも違った視点で楽しめる物となっている。
同じジャンルで言うと「バッテリー」みたいな作品だ。
にも関わらず下手なミステリー小説より伏線がところどころに散りばめられている。
僕はのんびり田舎ものかと思っていたが不意打ちを食らった。
その位作り込まれた作品だったのだ。
だから当ブログでは内容については一切書けない。ネタバレになったしまうとこの小説の魅力が半減してしまうからだ。
だからこの本を読む人は情報なしで読んでほしい。絶対に面白いから!!!
読み終わった後に上に書いたこの小説の説明文を読むと、改めてこの作品すげえなって感じられます。
ちょっとだけ内容とまとめ
でもこれじゃ紹介として成り立たないので、僕が印象に残ったシーンを上げていく。
終盤の怒涛の展開はメッチャ引き込まれたんだけど、その中で主人公の選択のシーンは凄くハラハラして「行けっ!!!!行けっ!!!!」って何回も心の中で念じました。
僕は今ぼっちだけど、主人公がした選択を出来なかったからそうなったのかなーなんて思ったり。
大人になると少年達のこうした部分を体験出来なくなっちゃうのが惜しいですね。
補足としてこの本は2002年に出版されたものです。ですが、この小説は令和にも通用します。
通用するどころか、令和の考え方をこの時代からもう表現しています。作者の発想も先進的ですね。
あと名作は時が経っても朽ちない事を実感しました。これが中古で100円で買えるんだから僕は幸せものです。
以上でこの本の紹介は終わりです。
僕の語彙力がないのが本当に悔しい。この作品の魅力が伝えられないのだから。
でもこの記事を見た人は絶対に読んだ方がいいです。滅茶苦茶安く買えると思いますし、心に残るような作品だと思います。
僕が読んだここ5年の本の中で一番面白い作品でした。